すてきだね
ご多分に漏れず、「丁寧な暮らし」「雑貨」「シンプルに生きる」などのキーワードが好きです。
正確には、そのキーワードまわりの雰囲気が好きです。
柔らかくて、淡いピンクとかミントグリーンとかの色で、すみれとかクリスマスローズとか咲いてそうな場所。
それが私の中の「丁寧な暮らし」「雑貨」「シンプルに生きる」。
そして、そんな女子の多そうな場所のどまんなかにいる男性が、松浦弥太郎さんのイメージです。
『すてきなあなたに』を中学生のお小遣いで買う夢見る少女だった私は、もちろん松浦さんの本も読みます。
松浦弥太郎さんは、「暮しの手帖」という雑誌の元編集長で、「すてきなあなたに」は「暮しの手帖」の中に連載されています。
今回は、こちらの『いつもの毎日。ー衣食住と仕事』という本を図書館で見つけたので、早速読んでみました。
やっぱりとっても素敵です。
こんな男性はどこにいるのでしょう。
暮らしの手帖社にいるのでしょうか。
タオルはホテル仕様のものが良いとか、そうですよねー。
家具は揃えて作ってもらうと部屋の雰囲気がまとまるとか、そうですよねー。
腕時計はダイヤがギラギラついてるのはちょっといただけないから、産まれた年のロレックスをつけているとか、シンプルなのにオシャレでカッコイイですよねー。
私、もう中学生じゃないんだなと、気付いてしまいました。
頭の片隅で、声がするのです。
「年収いくらくらいの人の生活なんだろう」と。
「嫁と娘と住んでいる家とは、ローンはもう終わっているのか。都内か。生活費月いくらくらいならホテル仕様のタオルに買い換えようと思い切れるのか。」などなど。
そしてロレックス。
いや、私でも頑張れば手の届く価格のものも、もしかしたらあるのかもしれません。
でも、そのお金を腕時計に回そうと思える日は私に来るのでしょうか。
中学生の時あこがれた、都会的でシンプルでオシャレな生活。
今、ロレックス持ってないし賃貸だし家具はネットかIKEAです。
でも部屋は気に入ってるし、家具も色みを揃えているからまとまりあるし、毎日掃除して、自炊して、なんだかんだと楽しく暮らしています。
松浦さんのような暮らしは、私は一生できないかもしれないけれど、日々の生活を楽しむという点では近づけたんじゃないかと思います。
それはやっぱり『すてきなあなたに』があったから。
ネットで買った本棚には、『すてきなあなたに』がちゃんとあります。
松浦さんが我が家に来たら、きっと「すてきだね」と言ってくれるはず。
どうかな。どうだろ。